2018年 第28回 チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 5 Lakesの部 完走記

はじめに

2度目のチャレンジ富士五湖118km。昨年は104km過ぎでDNFだったため、今回は何としても完走したい。

練習

直前3ヶ月の走行距離は月間200km程度。平日5-10kmを数回、週末にトレランも取り混ぜながら20km程度。レースは1月末にフルでPB更新(3:36)。2週間前にハーフPB100分ちょい。同日午後に20km余りのトレラン。これはキツかったが、根性はついたかもしれない。そのほか、月1回程度80-100kmサイクリング。

作戦

去年のデータを見ると、自分のペースは、序盤から既に完走ギリギリの位置だった。

加えて、エイドでのロスが大きかった。特に往路のステラシアター、足和田、本栖湖駐車場では、それぞれ10-15分も費やしていた。 したがって、今回の作戦に悩む余地はない。 序盤から無理しない程度に飛ばす。キロ6分を目指す。最後の20kmは3時間かかると予想し、西湖公民館の関門(98.9km)は16:00までに通過するのが最低ラインと位置付けた。 そしてエイドでは極力止まらない。ドロップバッグは準備するが、あくまでトラブル対応のための衣類シューズと補給だけにして順調ならスルーすることに。

去年はトレランリュックで走ったが、今回は軽量化のためにこれもやめる。ただし手元にドリンクは持っていたい。考えた末に、100円ショップのドレッシングボトル300ccをマジックテープでウェストポーチにくくりつけた。ウェストポーチには現金2000円、絆創膏数枚、スマホ、そして念のためにパワージェルを1パック。

前日

18:00、車で富士五湖入り。河口湖南岸の道の駅かつやまで車中泊することにした。 ここは106km付近。去年はここまで来られなかった。明日は必ず戻ってくる、と気合を入れる。道の駅裏手、坂を登ったところに第2駐車場があり、こちらは空いている上に、街灯がなくて寝るには好都合だった。甲州ほうとう「小作」で熟瓜ほうとうの夕食。一目でランナーとわかる人がチラホラ。向こうもそう思っているに違いない。

コンビニでオニギリ、ドーナツと水を買って道の駅に戻る。車の中で、ドーナツを食べながらレース中の装備を考える。翌日の予想最高気温は25℃以上。半袖短パンが基本だ。しかしこの日、日中は暑いほどだが18時を過ぎると気温が下がって、じっとしていると寒い。

序盤はウィンドブレーカを着るとして、夕方、身体が動かなくなってからの対策はどうするべきか?ウィンドブレーカを持ったまま走る?結局、軽量化を優先して、ウィンドブレーカはヘッドライトと一緒に山中湖で預け、ドロップバッグに長袖シャツを入れた。長袖に着替える最後のチャンスは75km地点だが、着替えるかどうかはここの通過時刻で判断する。関門時刻13:30ギリギリだと、かなり身体は参っているはずで、その後も時間がかかって冷えてくると予想される。その場合は着替える。13:00前に余裕を持って到着した場合は、自分の身体を信じてそのまま進む。

結論。上から、バンダナ、アイウェア、半袖シャツ(身体に密着するもの)、グローブ(途中で落とした)、ウェストポーチとドレッシングボトル、短パン、五本指靴下、シューズ。 朝のみウィンドブレーカとヘッドライト。

考えがまとまったところで、21時就寝。

当日

2:00起床。23:30に目が覚めてから眠れなくなり、ウトウトし始めたところでアラーム。ウェアを来て、荷物の確認をして出発。道の駅駐車場はかなり埋まっていたが、まだ動きはない。118kmの選手はあまりいない?

北麓公園駐車場にはかなり車が入っていた。2回目で勝手は分かっているので、アーリーエントリー景品を受け取り、体育館2階で準備する。朝食はおにぎり。

3:40トラックに移動。ドロップバッグを預け、競技場入口のテントであんパン、梅干し、ジェルなどを食べる。とにかく食べられる時に食べておく。

レース

4:00スタート。まず競技場を1周。去年、右足爪先を強打したトラック仕切りを探したが見つけられなかった。慎重に、かつ、ペースが落ちないように気をつける。序盤は集団走なので流れに乗って。ライトを持っている人は半分くらいか。これぐらいいれば、十分足元が見える。

30分くらいで空が白んで来て富士山が浮かび上がる。絶景に感動!富士山が大きい。

山中湖手前で100kmのトップランナーに追い越される。速い!

17.4km関門手前のトイレが空いていたので利用。エイドでおにぎりと味噌汁。さらにウィンドブレーカとヘッドライトを預ける。待ち時間なし。

ここまで平均、キロ6分10秒くらい。極めて順調。

引き続き山中湖を走る。湖越しの富士山、さらに水面に映る逆さ富士。何枚か写真を撮ったが、その度にわずかずつリズムが狂い、さらに集中力も乱れるので、この後撮影はしないことに。

次のエイドで、ドレッシングボトルを取り出し、スペシャルドリンクを作った。少しずつ飲むのが自分のペース合うようだ。

山中湖を抜け、30km前後で、素晴らしく安定したフォームで走る方としばらく並走。きっと、こういう人についていけば間違いないのだと思いつつ、気ばかり焦る初心者ランナーは追い越してしまう。 ナンバーを覚えてあとで記録を調べると、私よりも1時間以上先にゴールしていた。流石だ。

北麓公園に登っていくと、大量の71kmランナーと合流。ペースが落ちないようにランナーの間を縫って登る。

第2関門をクリアし、40km通過は4:12。4:20を完走ラインと考えていたので、上出来。長い下り坂は慎重に。去年はここでダメージがあった。途中、目の前のランナーが転倒。自分も去年転倒しているので、思わず声をかけた。返事があったので、そのまま続行。

坂を下りるとステラシアターのエイド。オレンジ、パン、レーズンなどたっぷり補給。

河口湖に入って、広い歩道を進む。47.8kmエイドで黒玉を頂く。かぶり水で手と顔を洗い、2回目のトイレを済ませて再開。

50km通過は5:20。少し脚が重くなりペースが落ちてくる。でも焦らず淡々と。気温も上がり、厳しいレースになって来た。

足和田関門は10時前に通過。去年より35分早い。予定通りバッグは受け取らず補給とかぶり水(初体験)して出発。出てすぐの急坂は、信玄桃と水を補給しながら歩く。食べ終わっても走り出せず、歩いて登る。この辺り、無理しなかったのも良かったのかもしれない。トンネルから走り始める。

去年は、復路、一人でトボトボ歩いていたところだ。今日の帰りはどうなっているか。あるいは帰って来られるのか?

60km通過は6:31。この区間はキロ7分超え。辛抱の時間。

西湖、通称うどんエイド、カステラエイドを経て精進湖へ。この区間はエイドの間隔が短く、辛いながらも目先の目標が立てやすかった。

70kmは7:47。このペースだと本栖湖関門は、完走ラインとして設定した13時よりもかなり早く通過することになる。今年は行けるかもしれない。

精進湖を抜けて、いよいよ118kmランナーの特典、本栖湖1周コースへ。急ではないが長い登り坂はこたえる。既に本栖湖を終えて戻って来た速いランナー達とすれ違うが、彼らにも、心なしか疲れが見える。

本栖湖関門到着は12時半。予想を上回る快走。ちょっと迷いが出てバッグを受け取った。ジェルを取り出そうかと思ったのだが結局やめた。70km過ぎに補給したジェルが口に合わず、食べる気がしなかった。暑さで食欲もなくなっていたようだ。今思うとちょっと危ない状況だったかもしれない。むしろ固形物の方が食べられたので、パンをかじりながら歩いて出発。

70kmあたりから背中が辛くて姿勢を保てないと感じていた。今回、身体的に最も辛かったのは背中だった。体幹の鍛え方が足りないのだろうか。そのせいで、本栖湖の長い登りもノロノロとしか進めない。途中、足取りの軽い女性ランナーに抜かれた。素晴らしい足運びだった。

本栖湖エイド(79km)で、一枚だけ写真を撮った。気温は高いのだろうが、湖を渡る風は爽やかだ。

ここで、ドレッシングボトルが邪魔になり、捨てた。が、せめてもう一区間持っていれば良かった、とすぐに後悔した。この辺り、エイドの間隔が少し広くこの頃のペースだと30分くらいかかる。私設エイドもない。去年はこの辺りで呼吸が苦しくなり、頭が朦朧としていたが、今年は大丈夫。

80km通過は9:08。いよいよキロ8分まで落ちた。次の関門(98.9km)までは3時間以上あるが、確実に完走するには2時間50分で通過したい。潰れて歩いたら間に合わない。この区間が勝負だ。

本栖湖1周を終えて、3回目のトイレを済ませて気分転換し、ゆっくり走り始める。時刻は14:00。ここの関門時刻は過ぎているが、まだポツポツとランナーが入ってくる。みんな、励ましの声をかけてくれる。その気持ち、よくわかる!去年、収容バスからゴールを目指すランナーの姿に感動し、心の中で激励したのを思い出した。

西湖へ向かう下りを走ると、いつのまにか身体が軽くなり、姿勢ももとに戻った事に気付いた。

90km 通過10:25 区間ペース 7'46"

100kmランナーと合流すると、すぐに旧精進小学校エイド。ここのおにぎりを楽しみにしていた。2個頂き、コーラも投入。ちょうど100km第3ウェーブの関門時刻だったようで、賑わっていた。

うどんエイドでは、食欲がなかったが、少しだけ食べたくて、うどんを一本だけ入れてもらった。面倒なリクエストに応えて下さったスタッフの方に感謝。

98.3km 通過11:26

ここに計測ポイントがあるので、関門通過したと勘違いした人はいなかっただろうか?私は去年、直前で気づき、慌てて600mダッシュする羽目になった。

去年、ものすごく遠く感じた西湖公民館関門98.9kmは15:30前に通過。ペースはエイド込みで7’20”まで回復した。

残り20kmを3時間半。大半を歩いても間に合う。キロ7分30秒が出せれば14時間も切れる。という事で、このエイドも長居はせずに出発。

復路の足和田では熱いお汁粉。餅は入っていなかったが、甘さが染み渡った。今回のベスト補給食。

この先は、河口湖南岸で、初めて走る道。もはや歩き交じりになってしまった。次のエイドでお粥を頂き、中盤から気になっていたシューズ内の異物を除去した。今回、椅子に座ったのはここだけ。

108.3km 12:49通過

完走が確実になって、実は、残念ながら、集中力が途切れてしまった。ステラシアターに戻る坂も歩く時間の方が長く、最後の3kmの登りは一歩も走れなかった。このままでは、今日のここまでの時間が無駄になりそうな気がして、「あと2km」の表示を見てからは、遅いながらも走った。ラストを下り坂にしてくれた、コース設計者に感謝。

ゴール前ではたくさんの声援受けつつ、14:24フィニッシュ。

完走出来て、1年前の雪辱を晴らして、しかも制限時間にはかなり余裕を残してのゴールだったので、満足のいく結果だったといえる。にもかかわらず、最初に感じたのは、コースに対しての敗北感、そして最後まで緊張を保てなかった自分に対しての不満だった。途中見かけた安定した走りをするランナーたちのことが印象に残り、それと自分を比較してもいたようだ。

とはいえ、少なくとも100kmまでの走りは1年前とは別人のようにしっかりしていたし、100kmの自己ベストも1時間近く更新した。何より、完走率50%の厳しいレースを最後まで楽しめたのは次への自信に繋がるのではないかと思う。 次回出るとしたら、もう少しうまく走りたい。

フィニッシュ後から翌日

当然のことながら筋肉痛。特に左足のハムストリング。また、右足のかかとが痛んで普通に歩けない。去年の夏に突然痛み始め、医者に見てもらったら、かかとの骨がもともと尖っていて、炎症を起こしやすいらしい。フルマラソン程度では平気なのだが。これを書いているのは水曜日の深夜。わずかに痛みは残るが、ほぼ普通に歩けるようになった。ランニングはもう少し自粛。