2018 OSJ奥久慈トレイルレース50K(DNF)

はじめに

2018年6月3日、初めての本格的トレイルレースに出場した。

難コースとして知られるOSJ奥久慈トレイルレース。 コースは、50Kと30Kの2種類。 そのうち50Kは、50kmではなく、50「くらい」と理解されている。 実際の距離は、公式サイトによると59km。獲得標高は4000mくらいらしい。

本格的なトレイルレースは初めてだが、地元近くのトレイルコースを使った20-30kmのランニングは時々行っているし、登山も好きなので、ある程度は走れる方だと思う。さらに茨城県在住なので、気軽に下見に出かけられるというメリットがある。しかし過去の完走率やブログからの情報は、レースの過酷さを伝えて余りあるので、エントリー前の昨年秋に、30Kコースの試走をした。30Kコースは、50Kの後半半分に相当する。10時間半の制限時間に対して、7時間ほどで走り切ったが、普段のトレイルコースとは違い、激しいアップダウン、沢沿いに苔むした岩を超えて進むルート(寺入沢)や東金砂神社から始まる林道と、このレースの特徴を全て備えていた。

30Kは走れることがわかったので、不安に思いながらも、力試しのつもりで50Kにエントリー。

準備

3月に1回目の下見。第1関門の持方に車を止めて第2関門に向かう。しかし予習が不十分で、途中ルートを外れてしまったりして時間をロスして、半分くらいしか進めなかった。

その後5月はじめに、2回目の試走。関門時刻や、その後の所要時間を考慮すると、第1関門から第2関門までは4時間以内で走ることが必要。実際には、ちょっと寄り道したとはいえ、6時間近くかかり、完走など以ての外、第2関門通過すら容易ではないことがわかった。 その後、同じコースをもう一度(階段抜きで4時間)、さらに後半部分の試走を一度して、本番を迎えた。

レース

5:30出走。トレイルの入り口での渋滞を少しでも回避するために先頭から3分の1あたりに並ぶ。最初の数kmのロードは、フルマラソン並みのスピードで進むが、それでも後ろからガンガン抜かれる。もはや自分が全体のどのあたりにいるのかさっぱりわからない状態でトレイルに到着。近くの方とお話しすると、UTMFとかSTYとか、サブ3.5などハイレベルな単語が飛び交うので、それほど後方にいる訳ではなさそうだ。

最初の急登を過ぎると流れ始める。やはり時間が気になるのでペースは早め。周りに比べると、私は登りが速く、下りが遅いようで、追い越されたり追い越したりしながら進む。白木山をクリアして第1関門には、予定通り2:30で到着。 エイドで給水し、トイレを済ませてすぐに出発。

奥久慈男体山(試走時)

先のことを考えると、なるべく足を温存して進みたいが、奥久慈男体山への登り、続いて急な下り、降りたと思ったらまた登り、を延々繰り返すうちに足はどんどん削られる。鷹取岩辺りまで来ると、所々で立ち止まる人も増えて来る。一方で、スタートで出遅れた速いランナーが後ろから結構な勢いで迫って来るので、時々道を譲る。何度か下りで滑って尻餅をついたり、岩の出っ張りや木の根につまずいてバランスを崩したり(今回は転倒に至らなかった!)、その度にちょっとずつ足にダメージが蓄積される。

鷹取岩と奥久慈男体山(右奥)(試走時)

1回目の渡渉は11:20頃(スタート後5:50)。第2関門には6:30で着きたいと思っていたが、この先2回の渡渉とその間の急登、さらに竜神大吊橋までのロードと階段があるので、ほぼ無理。この時点でかなり心が折れた。

1回目の渡渉(試走時)

ダム沿いのロードは下りだけ走る。途中、私設エイドでコーラとマンゴー。普段飲まないコーラも、この時は五臓六腑に染み渡るうまさ。そして冷たいマンゴーとパイナップル!生き返った。

第2関門は7時間あまりで通過。もう足は終わっていた。後半の林道を走れる気がしない。完走の見込みはほぼない(これはあとでデータで証明する)が、名物の「赤岩エイド」にはぜひ行きたいので、冷たいかぶり水をして出発。赤岩への登りは、これまで何度も登っているが、こんなに急だったか?と思うほど苦しかった。

この先はエイドレポートのみ。

「赤岩エイド」では、名物のおこわや野菜、果物、最後の1本だったリポDまでいただく。今回、大会スポンサーが、「赤岩の皆さんへのメッセージカード」を企画した。前日の受付でもらったカードに感謝のメッセージを書いて渡すというもの。カードを渡すと、「次回はもっと早く来てね!」とのお誘い。これまた名物の、赤岩の押し花カードは全て配布してなくなったとのことだった。再会を約束して出発。

寺入沢(試走時)

前後にランナーがいなくなり、寺入沢を一人で通過して、砂防地区エイドに到着。ここでもたっぷり補給。「今から挽回して!」との励ましをいただく。威勢良く返事はしたものの、近くのスタッフには、回収バスがどこに来るかこっそり確認。東金砂神社まで進み、そこで終わりにしようと思う。その先の長い林道はとても走れそうになく、3時間くらいはかかりそうだった。

東金砂神社までは急な坂。途中、私設エイドで冷たいシャワーを浴び、別のお宅ではお庭のゆずピールをいただく。私設出張エイドでスポドリを頂いた時には、その時着ていたチャレ富士Tシャツを話題に歓談。なんとか神社到着してリタイヤ。自分からリタイヤ宣言するのは初めてだった。自分が最後尾かと思ったらそんなことはなく、結構な人数が後から登って来た。しかも躊躇せず第3関門に向かう方がたくさん。「楽しんでいるうちに良いことがあるよ!」と話して境内の階段を駆け上がる人も!

確かに!完走だけがレースではない。トップ選手はともかく、我々はこの旅を楽しむために来ていたのだった。(かといって足は動かない) しかも、大会側は、関門に間に合わないからといってランナーを止めることはせず、最後までランナーを待っているようだった。 素晴らしい大会、素晴らしいランナーたちだった。

データで振り返る〜来年に向けて

大会から、リザルトが公開された。

今回の50K完走率は44%。54%だった昨年に比べて、暑さのためかかなり完走率は低い。

完走者の関門通過タイムを集計してみる。 まず、第1関門(持方)通過タイム毎の通過者。そのうち、緑の棒は完走者数。 ここでは、2:15〜2:20の間に通過した人が最も多く、60名。そのうち完走したのは35名。 私は2:30過ぎだったが、このタイムだと42人中6名しか完走できていない。

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次に第2関門(竜神大吊橋)。 関門通過者が最も多かったのは、6:00〜6:20で、この時間帯の完走率は 73% (57/78)。 一方私が通過した7:00以降は、なんと完走者ゼロ。 完走するためには、もっともっとペースを上げて、しかも後半への体力を温存しておかなければならないとは。。。

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なお、第3関門を通過してしまえば、かなり完走は近くなる。

全体をまとめる。(独自の集計であり、公式の数字ではない)

  • 出走者 590名
  • 第2関門通過者 459名(78 %)
  • 第3関門通過者 283名(48 %)
  • 第4関門通過者 262名(44 %)
  • 完走者     262名(44 %)

来年の目標

まずは第3関門通過か…