第31回大田原マラソン(DNF)

はじめに

大田原マラソンは、制限時間4時間の硬派レースとして知られる。 一方、前半は下り坂、後半は上り坂に加え、正面から吹き付ける向かい風が名物の難コースとしても有名。

私は、2016年に持ちタイム4:20台でエントリーし、晴れてサブ4を達成したものの、翌年は記録更新を狙いすぎて 後半は脚が終了してしまい、38km関門に引っかかってしまうという苦い経験も持つ。

今年は、手堅く完走するつもりで準備してきたが、直前に体調を崩してしまい、不安を抱えての参加となった。

事前の練習

10月は30km走1回を含めて190km走る。 11月は、11日に30km走を行った後から風邪気味で、最終的に熱を出して2日間寝込んだ。 そのあとは軽いジョグとハイキングでリハビリして当日を迎える。

レース

体調はほぼ元どおり。ただし事前の30km走の感触から、タイムを狙うのは難しそうなので、 とにかく完走だけを狙うことにした。

Dブロック後方からスタート。スタートロスは1分40秒ほど。 2kmを過ぎたあたりからペースが定まってきた。 5'30" - 5'40"を目安に淡々と進む。

12.7km関門は約3分前に通過。予定通り。

このペースだと最後尾に近いようで、ランナーもかなりばらけている。 17kmのスライド区間に向けて登るあたりから、かなり横風が強くなってきた。

今回は19kmと28kmに、初めてスペシャルドリンクを置いた。 中身はコーヒー牛乳。 このペースだと、残ったボトルはわずかで、自分のドリンクはすぐに見つかった。

24.7km関門は1分前くらいに通過。 思ったより時間ギリギリになってしまったが、まだまだこれから。

後半の登りに入ると、流石にペースが落ちてくる。 ところが周りはそれ以上に遅れてきていて、景色だけみていると自分がペースアップしたかのような錯覚を覚える。 時計をみると、キロ6分台がちらほら見えてくるが、ここで無理をするわけには行かない。

30kmをすぎると、前方300-400mくらいにランナーの集団が見えてくる。 おそらくこれが完走ラインだなと思い、徐々に追いつこう、と思いながら走る。 とはいうものの、脚にも心肺にも疲労が蓄積されてきていて、サブ4ペースに戻すのは厳しく、 このままだと、ゴールは4時間を数分超えるだろう、と冷静に考えていた。

33kmを過ぎて国道に入ると、沿道の方(スタッフかもしれない)が「関門まであと40秒」と。 まさか33.4kmの関門に引っかかるとは思っておらず、関門時刻を調べていなかった。 慌てて周りの数人と一緒にダッシュした。関門のスタッフが5秒前と言うのが聞こえた時は、 まだかなり距離があった。頭の中で5秒数えながらダッシュしたが、関門が閉まる気配がない。 もしかして少しオマケしてくれるのか、と思いそのまま突っ込んだら、目の前で「終了です」と。

今年の大田原マラソンは、あっけなく33km関門で終了してしまった。

今回、コンディションからして、簡単に完走できるとは考えていなかったが、それにしてもあっけない幕切れとなった。 ただし、仮に関門通過したとしても、すぐ後には急な登りもあり、そこまでのペースと疲労から判断しても、4時間以内での ゴールは難しいし、もしかすると38kmの関門にも間に合わなかったかもしれない。

このままで終わるわけにもいかないので、来年は走力と体調を整えてもう一度挑戦することにする。

データで振り返る大田原マラソン

今回の参加ランナーのタイムを集計してみる。 横軸にハーフ通過タイム、縦軸に完走タイムをプロットした。 オレンジのラインは、イーブンペースでの完走タイム。

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ほとんどのランナーが、オレンジのラインよりも上、つまり後半の方が遅くなっている。 コースの厳しさを反映している。

その中で、ハーフ通過1:45あたりのグループの一部がネガティブスプリットで走っていることがわかる。

この時間帯には、2分ほどの間に200名以上のランナーがハーフ地点を通過しており、おそらくサブ3.5ペースランナーを先頭とする集団だと思われる。この中で、前半に余力を残した少数のランナーが終盤に記録を伸ばして結果的にネガティブスプリットになったのだろう。

一方、サブ3ペースランナーを先頭とする集団は、おそらく1:27頃にハーフ地点を通過している。約3分の貯金を作って後半に望む作戦だったようだ。

感想

レースは、他人のフォームを観察する絶好の機会だと思う。 その中で、最後尾集団にあってひときわ目立つ安定したフォームのランナーがいた。 ウルトラマラソンで時々見かけるタイプで、かなり長距離の経験を積んだ方かもしれない。 しばらく同じペースで走っていたが、途中で見失ってしまった。

もう一人は、一本歯の下駄で颯爽と走り抜けたランナー。 ツイッター情報によると、無事に完走されたらしい。これにはたまげた。